ア行

アサ

麻は繊維の一つで広く知られていますが、麻という言葉は総称で、その種類は20種類近くに及びます。その中で主に生地に使われる麻は、亜麻と苧麻の二つですが現在日本で麻として流通しているもののほとんどは、亜麻から作られるリネンです。麻素材の特徴として、特有のハリとシャリ感をもち、通気性に優れていることから夏場にぴったりの素材で清涼感を与えてくれます。

編物

アミモノ

ループ上に屈曲した糸を繋げ平面状にすることで出来上がるものを編物といいます。一本の糸の輪が別の糸の輪をくぐり、さらに別の糸が輪をくぐることで編目を形成します。この編目の連なり方は、たてまたはよこのどちらかに広がっており、それぞれたて編、よこ編として分けられています。織物に比べて伸縮性が大きいことや、保湿性が高いこと、身体になじみやすいのが特徴です。

綾織り

アヤオリ

最小3本ずつのたて糸とよこ糸で構成される、2本ずつ抜かして交差する等して作られる織り方です。織目に斜文線が現れるのが特徴で、その織目が斜めに走っているように見えることからこの織目を「綾目(斜文線)」、織り方を「斜文織り」とも呼ばれています。地合を緻密かつ厚くすることもでき、柔軟さを備えた生地に仕上がります。

暗幕

アンマク

室内を暗くし、光を遮断する黒い幕。

1間半

イッケンハン

間とは尺貫法の長さの単位。長さは約2.73mで、約3メートルほどです。

内暖簾

ウチノレン

家の内部にかけるのが内暖簾。床暖簾、部屋暖簾、座敷暖簾ともいわれたりする。江戸時代には目隠しや間仕切りとして寝室や納戸などの入り口に用いられた。

江戸小紋

エドコモン

日本の伝統的な染織技術に基づく柄付けされた着物(和服)の一種。江戸時代に栄えた江戸の町人文化に影響を受けた、繊細で上品な柄が特徴です。江戸小紋は、普段着やカジュアルな場面で着られる着物として広く愛されています。

縁起

エンギ

仏教を起源とする言葉で、幸不幸の前兆的な意味や物事の由来などを指します。諸説ありますが本来の仏教としての意味は、発生する事象=因縁(因=自らの行いや思い、縁=周囲の環境や他人)によって生じており、自分ではない他者や自然の恵みによって生かされている、という意味です。

オート捺染

オートナッセン

オートスクリーンは、量産型の加工方法です。オートスクリーンは、版の位置は固定(上下運動のみ)して、生地自体が動きながら捺染を行います。

オックス

オックス

オックスは正式にはオックスフォード生地と呼ばれ、平織りを応用した「斜子織り」で作られた生地のことを指します。通常の平織りは糸を1本ずつたてよこに交差するのに対し、斜子織りは2本以上の糸を揃えた状態でたてよこで交差させて織ります。平織りに比べて通気性が高く仕上がります。

織物

オリモノ

糸をたてとよこに置き、一定の法則に従って交差させて出来上がるものを織物といいます。編物とは違い、糸が並行に交差し、そのほとんどの糸が直角に交差するのが特徴です。織物には多くの種類がありますが、どの種類にも当てはまる基礎となる織り方があり、平織り、斜文織、朱子織の3種類に分けられ三原組織と呼ばれています。

カ行

色 ー 柿色

カキイロ

柿の果実のような鮮やかな朱色がかった橙色のことです。柿の色にちなんだものと、柿渋で染められたものの2系統があります。

楽屋のれん

ガクヤノレン

役者さんなどの舞台やイベントに、感謝や応援の想いを贈る暖簾。右上に贈り先の名前「〇〇さん江」、左下に贈り主の「贔屓(ひいき)より」や「○○与利」のデザインが一般的です。

顔料プリント

ガンリョウプリント

テキスタイルや紙などの素材に、顔料インクを使用してデザインやイメージを印刷するプリント技術。顔料インクは粉末状の色素を水または油に分散させたもので、耐久性が高く、鮮やかな色彩を持つ特徴がある。生地の繊維に色素を浸透させ、堅牢で長持ちする。ポスター、バナー、衣類、家庭用品、テキスタイル製品など多くの場面で利用され、その耐久性と鮮やかな色彩が特徴。

生平

キビラ

主に漂白していない麻を原料とした生地のことをさします。染色を施さず麻素材そのものの色を生かしています。

切り返し

キリカエシ

生地を縫い合わせる事によってラインを入れたり、違う色同士をつなぎ合わせる事によってデザインを表現する手法。

キルティング

キルティング

布や生地を縫い合わせて作られる手芸や工芸の一種。主に厚手の布や生地を重ね、その間に綿や羽毛などの充填材を挟んで縫い固定することによって、温かさや厚みを持つ布地を作り出す技法。寝具やバッグ、ウォールハンギング、テーブルクロス、洋服など、さまざまなアイテムに利用される。

ケン

尺貫法の長さの単位。約181.8cm。1間は1尺6倍。

色 ー 紺・藍色

コン・アイイロ

植物の藍から取られた染料を使用した暗い青色のことです。なかでも紺色は藍色系統では最も深い紫がかった暗い青を指します。

サ行

採光

サイコウ

窓などから自然光を取り入れ室内環境を調整すること。

シーチング

シーチング

シーチング生地は太めの糸を使用し、粗めに平織りで織られた生地のことを指します。比較的ざっくりとしており通気性に優れています。通気性が高いことから寝具に使用されることも多く、シーチングという名前の由来はシーツからとも言われています。目の詰まったブロード生地とは対となる生地です。

刺繍

シシュウ

刺繍は、布地やテキスタイルに針と糸を使って模様やデザインを作り出す手法。通常、布地の表面に縫い目を刺し、美しく装飾的なデザインを形成する。刺繍は非常に古くから存在し、文化や伝統に根ざしたアートフォームとして発展してきました。様々な種類の刺繍があり、手刺繍や機械刺繍などがあります。刺繍は衣類、ホームテキスタイル、アクセサリー、フラッグ、テーブルクロス、カーテン、アート作品などで利用され、デザインや文化の表現、装飾、アイデンティティの一部として用いられています。独自の糸の種類、ステッチのテクニック、デザインパターンにより、刺繍は美しい芸術的な作品を生み出すことができます。

シャク

尺貫法の長さの基本単位。約30.3cm。1丈の10分の1。

遮光

シャコウ

光を遮ること。

尺貫法

シャッカンホウ

長さや面積の単位を示すための伝統的な計量法。この計量法は、日本や中国などのアジア諸国で長い間使用されてきた。

遮熱

シャネツ

遮熱材を建物に施工することで日射による輻射熱を反射し、室内の温度の上昇を抑え快適に過ごせる。

シャンブレー

シャンブレー

シャンブレー生地はたて糸に色糸(先染めされた糸)を、よこ糸に白系の糸を使用して平織りで織られた生地のことを指します。生地の表面に白糸が浮かび上がることで霜降りのような斑点状のムラが出ることが特徴です。やさしい色味になり、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。

繻子織り

シュスオリ

最小5本ずつのたて糸とよこ糸で構成される、糸の交差する点を目立たないように一方を長く浮かせた織り方です。たて糸またはよこ糸のどちらかが覆われた見た目をしているのが特徴です。また生地の一つである「サテン」の名前は生地の名前ではなくこの朱子織の事を指しています。

昇華転写プリント

ショウカテンシャプリント

高温で気化させた染料インクを使って布地を染める手法。捺染対象はポリエステルのみで、綿やナイロン等だと色は移るがすぐに色落ちしてしまう。

シルク

シルク

シルク(絹)は蚕の繭をほどいた糸を原料とした動物繊維です。タンパク質の一つであるフィブロインは人間の素肌に近い成分のため、皮膚への刺激が少ない素材です。なめらかな質感と優雅な光沢が特徴です。長所は軽くて丈夫でやわらかく、静電気が起きにくい、吸湿性が高い、染色性が良いこと。短所は太陽光に弱く変色しやすい、虫に食われやすい、日光で黄変すること。

色 ー 白色

シロイロ

日本で使用されてきた色名の中で最も古いものの一つであり、白は潔白を表し神聖で特別な色とされてきました。

水洗

スイセン

蒸しの後工程として、糊(のり)や余分な染料を洗い落とすために水洗いをします。

簾(すだれ)

スダレ

竹や葦(あし)などを細く割り横に並べて糸で編んだもの。軒先や縁側に吊り下げ、日除や目隠しなどに用いられる。

スラブ

スラブ

糸の太さや形状が不規則なスラブ糸を使用した生地のことです。生地の表面に糸の太さや形状による凹凸があり、表情豊かな生地です。

スン

尺貫法の長さの単位。約3.03cm。1寸は1尺の10分の1。

外暖簾

ソトノレン

お店などの店と奥とを仕切り、商店の入り口などに営業中を示すために掲げられ、屋号・商号・家紋などが染め抜かれているものが多いです。外暖簾は店暖簾ともいわれ日除けにも、看板など目印にもなります。

タ行

タケ

のれんの標準的な布丈は、昔風に言えば鯨尺3尺(約113㎝)が定尺。

珠暖簾

タマノレン

球や管の形をした玉を糸で通して下げた暖簾。形状の違う玉を組み合わて模様を表現します。

だるま

ダルマ

仏教の僧侶・達磨の坐禅姿を模した張子の置物。現在では縁起物として魔除けや家内安全、開運吉祥などの意味が込められています。

断熱

ダンネツ

建物の断熱材などによって室外から室内への熱の移動を減らし、外気温の影響を受けにくくし快適に過ごせる。

チ(共チチ・タブ)

チ(トモチチ・タブ)

暖簾上部の輪っか状になっている、棒を通す部分のこと。

色 ー 茶・黄土色

チャ・オウドイロ

赤みがかった黄色や茶色がかった黄色のことです。天然顔料である黄土から作られた黄色のことを指します。

手捺染

テナッセン

小ロット生産の手捺染は、生地を固定し、版を扱う職人が手作業で行います。染め職人がのれんの生地に1色ずつシルクスクリーン版で印刷していく感じで染めていきます。

店頭幕(日除けのれん)

テントウマク(ヒヨケノレン)

店舗の外壁や入口付近に設置することで効果的な宣伝ができる幕のこと。直射日光を遮る日除け幕としても活用できます。

ナ行

ナイロン

ナイロン

ナイロンは石油を原料に作られる合成繊維です。同じく石油から作られるポリエステルよりも吸水性が高く、強度があり伸縮性も兼ね備えています。雨風にも強いため、スポーツウェアやアウターに使用されています。

縄暖簾

ナワノレン

幾筋も縄を結んで垂らしたのれん。独自の編みを上部に施してあるのが特徴。

難燃

ナンネン

着火しても燃えにくく、自己消火性によって燃え広がらない性質のこと。素材自他が燃えにくいもの。

ハ行

パイピング

パイピング

縫製や縫い合わせの技法の一つで、主に布地の端に細長いストリップ状の布を挟むことによって装飾的なエッジを作り出す方法。布地の端を保護し耐久性を高めるために使用されるだけでなく、デザイン的な要素としても活用される。

パイル

パイル

織物の一種で、表面に小さなループや繊維の房(パイル)が立っている。生地の表面に柔らかさや毛足を与え、触り心地が滑らかでふんわりとしたものに仕上がる。さまざまな用途に使用され、タオルや衣類、自動車の内装、カーペットなどの製造に用いられる。

接ぎ

ハギ

のれんを構成するための要素の一つです。生地と生地を繋ぐための要素して、のれんをくぐる時に邪魔にならないような長さでつなぎ合わせます。

花嫁のれん

ハナヨメノレン

石川県や富山県(金沢旧加賀藩)の古くからの風習の一つで、婚礼時に嫁ぎ先の仏間に掛けて花嫁がくぐる暖簾のこと。幸せを願う娘への嫁入り道具の一つ。

巾(幅)

ハバ

巾とはのれんの割れの事です

帆布(キャンバス)

ハンプ(キャンバス)

帆布は平織りで織られた厚手の生地のことを指します。現代では使用される素材は綿、麻、ポリエステルなど様々ですが、「帆布」のみで表記されるものは一般的には綿や麻が使用されます。かつては帆船の"帆"に使用されていたことが名前の由来となっています。またその用途の通り耐久性、通気性に優れたとても丈夫な生地で現在ではトートバッグやエプロン、スニーカーなどに使用されています。

半間

ハンマ

1間の半分で約91cm。

平織り

ヒラオリ

最も簡単な組織で広く応用されている織り方です。たて糸とよこ糸を交互に交差する織り方で裏表ともに同じ組織になるのが特徴です。交差する点が多いため感触はやや硬めでハリのある生地に仕上がります。

フクロウ

フクロウ

夜行性の鳥。ギリシャ神話から知恵の象徴とされたり、夜行性で夜目が効き耳も非常に良いため、将来を見通せる、と商売繁盛の象徴とされました。また、フクロウの字に当て、「不苦労」「福朗」「福老」など、その名前からも縁起者とされてきました。

袋縫い(棒袋/竿通し)

フクロヌイ(ボウブクロ/サオトオシ)

暖簾において、棒を通す部分の仕立ての一種。生地の端を袋状に縫うことにより棒が全て隠れる見た目になる。関東風と呼ばれる共チチ(チ付き)の仕立てと分けて関西風と呼ばれる。

ブロード

ブロード

ブロードはブロードクロスとも呼ばれ、たてよこの糸は同じ番手の糸を使用し平織りで織られた目の詰まった密度の高い生地のことを指します。光沢感と細かいよこ畝が見える織目が特徴です。緻密に織られているため伸縮性はほとんどありませんが、その分薄手でも耐久性を備えた生地です。

フロッキープリント

フロッキープリント

テキスタイルや布地に特殊な繊維(フロッキー)を印刷して立体的な質感を与えるプリント技術。フロッキーは短い繊維で、粒子のような状態で印刷インクに混ぜられデザインの部分に吸着される。乾燥後、フロッキーは立ち上がり、柔らかくふんわりとした質感を生み出す。ロゴ、デザイン、テキストの視覚的な強調や触感の向上に使用され、Tシャツ、ポロシャツ、スウェットシャツ、帽子、バッグなどのアパレル製品で多く用いられる。

防炎

ボウエン

着火しても燃えにくく、自己消火性によって燃え広がらない性質のこと。可燃品などに燃えにくい後加工を施しているもの。飲食店などの防炎防火対象物で使用する、カーテンなどには「防炎」の性能を持つ防炎物品の使用が義務付けられている。

ポリエステル

ポリエステル

ポリエステルは石油を原料に作られる合成繊維です。形状を自由自在に変化させることで機能性や風合いも作り出すことができ、その汎用性はとても高いものとなっています。吸水性が悪いことや静電気が起きやすい等短所はありますが、丈夫で縮みや型崩れが起きにくく耐久性もあり、熱にも強いのが特徴です。日本で一番生産・消費される繊維とも言われるほど身近な素材となっています。

本染め

ホンゾメ

形成される糸1本1本に染料をしみこませる手法で、両面が綺麗に染まります。日本の伝統的な手法で味のある風合いに仕上がります。

マ行

招き猫

マネキネコ

前足を持ち上げ、人を招いている猫の形の置物。古くは蚕を食べるネズミを食べる猫が養蚕の縁起物とされたものが起源。右手を挙げている猫は金運を、左手を上げている猫は人を招くとされるが、両手を上げているものはお手上げ万歳と嫌われることがあるので注意。

水引暖簾

ミズヒキノレン

1枚物になっている割れのない暖簾。カウンターなどの目隠しや、店内外のディスプレイなど装飾するために使用される暖簾。

蒸し

ムシ

染め上がると半日程度乾かしてから蒸して化学反応させ、染料を固着させます。

色 ー 紫色

ムラサキイロ

植物のムラサキから取られた染料を使用した赤と青の中間の色の総称です。古代より大変高貴な色とされていました。

メロー

メロー

特殊なミシンを使用した巻きロックのことで、糸で縁を巻き込むように縫う縫製方法です。タオルやブラウス、スカートの裾の処理などに使われます。

綿

メン

綿は「ワタ」の種子毛から取れる繊維です。長所は丈夫かつ肌触りが良い、吸水・吸湿性が高い、熱に強い、染色・洗濯性が良いこと。短所はシワになりやすい、縮みやすいこと。下着やタオル、衣類、シャツ、ハンカチ、浴衣等幅広く使用されています。

ヤ行

UVカット

ユーブイカット

紫外線を防ぐこと。

湯のれん

ユノレン

温泉、銭湯、お風呂等の目印になる暖簾。

ラ行

ラバープリント

ラバープリント

テキスタイルや布地のデザイン、ロゴ、テキストなどを印刷するためのプリント技術。柔らかいゴム状のインクまたはプラスチックインクを使用して印刷する。立体的で凹凸のある印刷面に適しており、テキスタイル、Tシャツ、スウェットシャツ、キャップ、バッグなどの衣類や布地に多く用いられる。

レーヨン

レーヨン

レーヨンは木材パルプを原料とし薬品で溶かして繊維状に再生した再生繊維です。絹に似た肌触りとしなやかさを持ち、優美な風合いがあります。絹に似せて作った繊維ということもあり、人造絹糸とも呼ばれていました。欠点として、耐久性や水に弱いため扱いによっては型崩れやシワになりやすく、家庭での洗濯には注意が必要な素材です。

ワ行

ワッペン

ワッペン

布地や皮革などの素材に刺繍やプリントで作られ、衣類やバッグ、帽子などに取り付けられる飾りの一種。

割れ

ワレ

割れとはのれんの巾の事です。昔ののれんは商売をしている上で縁起が良いとされ奇数に割れていることが多く、奇数は割り切れないので「余りが出る(余裕がある)」数ということ。現代では掛ける使い勝手や間口の広さを重視するなど巾数は様々です。