のれんの竿通しは「棒袋仕立て」と「共チチ仕立て」のどちらがいい?
のれんの棒を通す部分は共チチ仕立てと呼ばれる輪っかタイプになったものと袋状になったタイプの二種類があります。
どちらが良いのかプロの立場からご説明いたします。
棒袋仕立てとは
棒を通す部分が袋状になっているものは棒袋仕立てと呼ばれています。
その昔京都では「隠す文化」があったことからのれんに関しても棒を隠す形が一般的であったため業界用語としては「関西風」とも呼ばれています。
- メリット
- 風による横ずれが起こりにくいため場所を選ばず使用できます。
特に横幅が長いのれんには棒袋仕立てがおすすめです。 - デメリット
- 使用上のデメリットは特にありません。
共チチ仕立てとは
棒を通す輪っかの部分をチチと呼びます。
共チチの「共」とはのれん本体と同じ生地を使用して作るため共チチ仕立てと呼ばれています。
棒袋仕立ての「関西風」とは反対に、
江戸では「見せる文化」があったことからのれんに関しても棒を見せる形が一般的であったため「関東風」と呼ばれています。
和食店、和菓子屋、旅館をはじめとしたこだわった店舗づくりをされている方へおすすめです。
- メリット
- 竹や木などののれんを通す棒が見えるため、棒の素材を生かしたデザインになります。
- デメリット
- 風でのれんが片側へ寄ってしまう可能性があるため、風の強い場所にはストッパーを使用するなどの配慮が必要になります。
縫製加工の作業工程が複雑になるため、棒袋仕立てよりも高額になる場合があります。